村上春樹レヴューのブログ

自称村上主義者の私が独自の切り口で作品をご紹介します。

2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

【⑩カントリー・ハズバンド】(『巨大なラジオ/泳ぐ人』より)

Amazonより 本作は、1956年にO・ヘンリー賞を受賞した、ジョン・チーヴァーの代表作の一つです。冒頭では、飛行機事故で命を落としかけた男性が家に帰る場面が描かれています。家族は彼の体験に関心を示さず、彼も事故とは別の問題を次々と抱え込むのですが…

【木野】(『女のいない男たち』より)

Amazonより 妻の不倫がきっかけで心の迷宮に迷い込んでしまった男の話です。あてのない旅の末に《女のいない男たち》の一人が誕生する過程が描かれます。 『奇妙な訪問者たち』 ある日、木野が出張先からマンションに戻ると、会社の同僚と妻が裸でベッドに入…

【⑨林檎の中の虫】(『巨大なラジオ/泳ぐ人』より)

Amazonより 『林檎の中の虫』とは、見た目は幸福そうでも実際には何か問題や不吉なものが隠れているという意味を持つ英語の慣用句です。本作はそんな慣用句にまつわる物語です。 『バラ色の林檎にはきっと』 ラリーとヘレンの二人は常につつましやかで、どん…

【⑧シェイディー・ヒルの泥棒】(『巨大なラジオ/泳ぐ人』より)

Amazonより 『シェイディー・ヒル』は美しく、平和な高級住宅地の名前です。そんな場所にもかかわらず、泥棒行為をしなくてはならないところまで経済的に追い詰められた人が出てきていまいます。本作を読みながら、私は昔聞いたことのあるたとえ話を思い出し…