村上春樹レヴューのブログ

自称村上主義者の私が独自の切り口で作品をご紹介します。

2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

【③淡いピンクのロースト 】(『人生のちょっとした煩い』より)

Amazonより グレイス・ペイリーは作家活動以外にも公民権運動、フェミニズム運動、環境保護活動などの政治活動で知られています。ヴェトナム反戦運動では何度も逮捕されるうちに知名度を上げ、難解とされる彼女の作品もカリスマ的な人気を獲得していきます。…

【プレイバック】

Amazonより 本書はレイモンド・チャンドラーが描く《私立探偵マーロウ・シリーズ》の七作目にして遺作となった作品です。かつて角川映画『野生の証明』のキャッチ・コピー『タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない』が話題になり…

【②若くても、若くなくても、女性というものは】(『人生のちょっとした煩い』より)

Amazonより グレイス・ペイリーは子育ての合間に短編小説を書き、いろんな雑誌に送りました。しかし、当初はアマチュア主婦の書いた習作とみなされ、ことごとく掲載は拒否されたといいます。たまたまある編集者の目にとまり、37歳の新人作家のしかも雑誌に一…

【①さよなら、グッドラック】(『人生のちょっとした煩い』より)

Amazonより 今回からアメリカ文学界のカリスマ的存在グレイス・ペイリーの作品を取り上げていきます。本ブログでは、過去に彼女の短編集『最後の瞬間のすごく大きな変化』をご紹介しましたが、アメリカでの刊行は本書の方が先で、彼女にとって初めての作品集…