2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧
本書は、若い夫婦が体験した《貧乏生活》を、どこか懐かしさを感じさせるノスタルジックな筆致で描いた作品です。荒唐無稽ともいえる状況の中に、不思議な親しみや温かさを見出すことができます。 【要旨】 「貧乏」といえば、かつて暮らしていた三角形の細長…
本作は高校教科書に採用されました。発表当時の作者を取り巻く状況を御存じの方であれば、芥川賞の選考委員や文壇に対する皮肉を自然に読み取ることができるでしょう。もちろん、背景を知らない高校生たちにとっても、寓話としての奥深さを十分に楽しめる内…
ビートルズの『デイトリッパー』は、自由奔放な若い女性に振り回される男性の気持ちを描いた楽曲です。このタイトルを借りた本作も、《若さ》の秘密に迫る内容になっています。 【要旨】 僕は18歳の彼女と月に一度だけの「歳の差デート」を楽しんでいる。 彼…
本作の描く世界観を理解するのは、決して容易ではありません。本文中でも『説明するのは特殊な作業であり、至難の業である』と述べているくらいですから。ともかく、奇妙な読後感が残る本作をご紹介します。 【要旨】 大学時代に出会ったQ氏との思い出の数々…
これまで抽象的な物語を描いてきた村上春樹にしては珍しく、本作は特定の場所や時間を具体的に想起させる記述になっています。さらに、主人公がつぶやいた恨み節が、その後の阪神淡路大震災と結び付けられ、センセーショナルに受け止められるなど、何かと話…
通信教育の添削アルバイトをしていた頃のこと。心温まる手紙のやり取りが、ある女性との出会いを通じて、いつしか予期しない展開を見せ始めます。ボクは息を呑みながら読み進めていきました。そして物語の結末で、作者が明かす一つの《テーマ》にたどり着い…
本作は、ボサノヴァのスタンダード・ナンバーを題材にした大人向けの作品です。軽やかで耳に残るメロディと、《物質と記憶》をめぐる深遠な哲学的テーマが融合し、独特の味わいを醸し出しています。 『形而上学的な熱い砂浜』 1963/1982年のイパネマ娘は形而…