村上春樹レヴューのブログ

自称村上主義者の私が独自の切り口で作品をご紹介します。

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

【⑦あるレディーの肖像】(『ワールズ・エンド(世界の果て)』より)

ポール・セローの7作目は、仕事でフランスを訪れたアメリカ人ビジネスマンの話です。憧れのパリ滞在にもかかわらず、居心地の悪い思いを繰り返すうちに、彼は早く家に帰りたいと嘆きます。ビジネス現場のあるあるエピソードには同情すべき点もありますが・・・…

【ハナレイ・ベイ】(『東京奇譚集』より)

本作は2018年に映画化されています。吉田羊の熱演には好感が持てましたが、映像ならではの解釈がなくて、少し物足りない感じがしました。映画に関して門外漢なので、間違った見方なのかもしれませんが。代わりといっては何ですが、やみくもな飛躍を試みた私…

【⑥便利屋】(『ワールズ・エンド(世界の果て)』より)

ポール・セローの6作目は 著名な作家の知遇を得ようとロンドンに通う批評家の話です。批評家稼業の俗物ぶりを面白おかしく描いた内容ですが、読み進むにつれて身につまされるような気持ちがしてきました。 《あらすじ》 批評家のブラッドワース教授は毎年夏…

【ティファニーで朝食を】

第二次大戦下のニューヨークを舞台に、社交界を自在に遊泳する女性のライフ・スタイルが描かれます。粋な会話と端正な文章、高尚な人生観から猥雑な不道徳まで、すべてがドラマチック。オードリー・ヘップバーンが主演した映画とは、ひと味もふた味も違う小…