村上春樹レヴューのブログ

自称村上主義者の私が独自の切り口で作品をご紹介します。

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

【眠り】(TVピープルより)

さて、テレワークの合間にリビングを覗くと、ソファーに寝そべって午後のワイドショーを楽しんでいる妻の後ろ姿。結婚して16年。専業主婦の妻はたまに訳の分からないイライラをまき散らす以外は特段悩みもない様子で・・・ん?訳の分からないイライラ⁉ いやいや…

【ゾンビ】(TVピープルより)

子供の頃に見た映画『ゾンビ』。生前の記憶と理性を失った死者たちの蘇った姿は醜く、動きはぎこちなく、哀れなモンスターそのものです。現代の感覚でその映画を振り返ると、死者を冒涜する描き方は少しやり過ぎな感じもしますが、醜く哀れなものの筆頭のイ…

【加納クレタ】(TVピープルより)

本作に登場する加納マルタとクレタ姉妹から私が連想するのは、当時も今も美人ユニットの叶姉妹です。お二人がTVで活躍されている姿を拝見するたびに、私はこの作品を思い出します。 《あらすじ》 私の名前は加納クレタ。姉のマルタの仕事を手伝って暮らして…

【我らの時代のフォークロア―高度資本主義前史】(TVピープルより)

本作は、終焉したはずの恋愛が、時を経て成熟した二人の前に現れ、再び離別が繰り返される、という哀しくも静謐な情景を描いた作品です。全体的な構成としてはフィッツジェラルドの名作『冬の夢』*1の影が感じられます。 《あらすじ》 高校時代の同級生に、…

【飛行機―あるいは彼はいかにして詩を読むようにひとりごとを言ったか】(TVピープルより)

本作は初期の短篇『バート・バカラックはお好き?』の続編のような趣の作品です。先にご紹介したときは小説における《テーマ主義の問題》について取り上げましたが、今回もそれに関連する内容となります。このような読み方に興ざめしていまう方もいるかもし…