村上春樹レヴューのブログ

自称村上主義者の私が独自の切り口で作品をご紹介します。

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

【⑫政治】(『最後の瞬間のすごく大きな変化』より)

ペイリーの短編集と誕生日アンソロジーを交互にご紹介しているうちに、アメリカ文学専科の様相を帯びてきたので、改めてブログの趣旨を確認しておきます。このブログは、村上春樹の長編・短編・翻訳作品及び関連する創作活動の一つ一つをすべて紹介するとい…

【波打ち際の近くで】(『バースデイ・ストーリーズ』より)

作者のクレア・キーガンは、本短編集に選定された中ではもっとも若い世代に属します。ポストモダン文学の影響を脱した次世代の作家として、彼女の作品をご紹介します。 《あらすじ》 青年は大学の夏休みに海辺に建つ建物のペントハウスで過ごしている。義理…

【⑪最後の瞬間のすごく大きな変化】(『最後の瞬間のすごく大きな変化』より)

今回は本書の表題になった作品のご紹介です。作品の理解を深めていただくために、途中で少しだけ60年代の時代背景の解説を差し挟みます。社会活動家でもあるグレイス・ペイリーならではの歯ごたえのある世界観をご一緒に味わってみませんか。 《あらすじ》 …

【風呂】(『バースディ・ストーリーズ』より)

本作はミニマリズムの旗手として知られるレイモンド・カーヴァーの代表作です。彼の作品は鋭い観察力と最小限の描写で私たち読者の想像力を刺激します。このような誰も真似出来ない作風の登場以来、時代の先端を意味する《ポストモダン文学》を自認する作品…